本記事はMicrosoft Empower Partner Days 2020の「激動の変革の時代に求められるソフトスキル・マインドセット」セッションの開催を記念し、登壇者の三浦崇宏氏をゲストスピーカー、モデレーターの加藤友哉氏をインタビュアーとした特別インタビュー記事としてお届けしています。

Microsoft Empower Partner Days を終えて

(加藤氏):この度は大変お忙しい中収録並びに本インタビューへご協力頂きましてありがとうございました。
簡単に先日のパネルセッションの感想をお聞かせ頂けますか?

(三浦氏):マイクロソフトのような帝国的な企業がまだ変化し続けようとしているところに感銘を受けました。あと、明石さん、小柳津さんとのトークはめちゃくちゃ楽しかったです。リラックスしすぎたかな。笑

(加藤氏):ありがとうございます。本日はセッションではお聞きしきれなかったThe Breakthrough Company GOのビジネスや三浦さんご自身のご活動をお伺い出来ればと思っておりますのでよろしくお願いいたします。 (三浦氏):よろしくお願いいたします。

“社会のあらゆる変化と挑戦を支援する”

(加藤氏):改めてですがThe Breakthrough Company GOについて簡単にご紹介頂いてもよろしいでしょうか。

(三浦氏):はい。僕らはもともと僕は博報堂出身で広告・マーケティング・PRにこだわらずに“社会のあらゆる変化と挑戦を支援する”というテーマで仕事を受けています。

今の社会がテクノロジーの進化や人口動態の変化、モラルの変化などあらゆる部分で変化を要請しているなかで、企業自身も変わりたいと思う一方、なかなか踏み出せない企業様をご支援する活動をしています。

仕事の内容としては広告・PRに留まらずスタートアップ支援の為のファンドや、話題化のプロモーション、クライアントさんと新規事業を作るといった事業も得意としています。
僕らの仕事の進め方ですが“事業クリエイティブ”と呼んでおり、商品サービスを作るところからご一緒する形態を得意としています。

世間からは話題化・プロモーションが得意な会社だと思われがちですが、いわゆるフィロソフィー・企業の目指すビジョンの策定から丁寧に行っていきます。実はここが我々のコアバリューであり最大の価値だったりもします。

それを受けてクライアントさんによってはベースになる新規事業に注力したり、やはりクリエイティブの方に振って言葉・ビジュアル・ブランディングを作っていく、さらにそれを受けて世の中に伝えていく為のアクションとしてPRを行ったりという流れを一貫で実現しています。

なので意外だと思われるかもしれませんが、単発でのPR依頼等はほとんど受けておらず、基本的には3か月から半年の契約で組織改革からアクションに落としこむような仕事をしている会社になります。

(加藤氏):上物のプロモーションやバズ上げだけでなく、基盤となるフィロソフィーや組織改革の部分から変えていく事で企業を支援される為に、ある程度中長期的なスパンでビジネスを支援されているのですね。

(三浦氏):まさにその通りです。それが無いままにやっても単なるバズの広がりで終わってしまい、クライアントの継続的な成長に貢献できなかったりするのでここは凄く重要視しています。僕のメディア出演や話題性のあるプロモーションのイメージが強くてエンターテインメント性のある企画を打ち続ける会社だと認識頂いていますが、割と企業の根幹から考えていくのが我々の最大の強みだと考えています。

“GOらしさを継続するためのGO FUND”

(加藤氏):先ほどご紹介いただいた“挑戦と変化を支援する”というミッションから先日発表されたGO FUNDの活動にも繋がっているのだなと感じましたが、事業の多角化というよりはこの軸を実現するためのチャネルのひとつとしてのVCという位置づけになりますでしょうか?

(三浦氏):仰る通りですね。僕らは電通・博報堂・ADK出身のメンバーも多いため、ありがたいことに大企業さんからのご依頼が多く、大企業の変革を支援することが結果的に日本社会を良くしていくということは理解しています。一方で同時に“変化と挑戦”そのものであるスタートアップの仕事をFeeの水準を考えると受けにくくなってくる状況が発生してきました。

“変化と挑戦”を支援する我々が金銭的な条件からスタートアップを支援できなくなってしまうようでは、“”GOらしさ”が無くなっていくのではと思い、経済的合理性を持ったうえで支援を続けていくことを考えた際には、FUNDの仕組みは非常に合理的であったと感じました。

(加藤氏):今のお話からも分かるようにGO FUNDは単なるキャピタルゲインの回収だけが狙いなのではなく、スタートアップ支援を継続的に実現してくための理想的な形態であることが良く分かりました。

“バリュートランスフォーメーションの実現に向けて”

(三浦氏):それから広く社会に目を向けてみると、今多くの企業が“DX”を課題にしていますが、人口動態やテクノロジーの変化、さらにモラルのアップデートが進んでいると感じています。2-3年前だったら炎上しなかった案件が今では大炎上する世の中で、クリエイターがやりにくくなったと仰る方も多い一方、僕はそんなことも無いと思っています。人を傷つけない・深く配慮するというのは当たり前で、ジェンダーはじめ隔たりが無くなってきているのも良い傾向だと感じています。加えてSNSの台頭で誰でも発信者になれる時代、受信者と発信者の差が無くなってきているのも凄く大きい変化で、こういった社会に求められる変化というのはデジタルトランスフォーメーションだけでは不十分だと考えています。そうなったときに我々が考えているのが“バリュートランスフォーメーション”です。

御社を例に出してもこれまでは凄く便利なツールを提供されてきたと思いますが、その先にどのような価値を進化させるのか、、、そのバリュートランスフォーメーションという1つ1つの過程の中にDXが入っていく気がしています。

企業によっては“ソーシャルトランスフォーメーション=どのように社会に貢献していくか”

“ジェンダートランスフォーメーション=男女の平等を考えるようになるか”

“スクリーントランスフォーメーション=この前の明石ガクトさんなども取り組まれていますが、我々が触れるスクリーンもテレビからスマホなどへ変化しているときの最適なコンテンツの作り方は何か”

“サステナブルトランスフォーメーション=アパレルはじめ各企業が継続的に使用していけるものでなければいけない”

“ジェネレーショントランスフォーメーション=顧客や経営層をどう若返らせていくのかあるいは産業をどう高齢化に対応した形態に変化させていくのか”

“HRトランスフォーメーション=人材採用も大きく変わっておりPush型からPull型をつくれるのか、また副業の自由化や人材の流動化の中で社員研修なども重要度が変わってくる”などなど、、、

長くなりましたがこういったバリュートランスフォーメーションの中から企業様が取るべき適切なトランスフォーメーションの決定に寄与したり、一緒に組み合わせて実現していく為のプロ集団を目指しています。

(加藤氏):我々マイクロソフトも毎年のように“デジタルトランスフォーメーション”というテーマを発信しており、インダストリー・ワークスタイル・ライフスタイルという3軸で取り組んでいますが。
今回ご登壇頂いたセッションもあえて“変化の時代に求められるスキル”という抽象的なテーマとさせて頂いた理由は、DXのような手段だけではなくて今後目指すべき未来に関してのご提言を頂きたいという意図がございましたので、まさにバリュートランスフォーメーションという考え方は我々やパートナー様も理解しておくべきコンセプトだなと強く共感を致しました。
これまでお話頂いた通り確たるビジョンとパッションのもと現在ご活動をされていますが。今後GOとして実現していきたい未来はございますか?

(三浦氏):クリエイティブの産業を更に確立していきたいと思っています。
まだ日本は高度経済成長期から続く意識的な課題や慣習をぬぐい切れていないと思っています。日本が更に進化していく為にはこれらを刷新し、新しいコンセプトを作っていかなければいけないと思っており、これを作るのはクリエイティビティだと思っています。

さらに言えば日本の経済競争力の源泉そのものもクリエイティビティになると信じています。例えば今手元にあるお茶碗を例にとってみると、素材をより良く作る“資源”で売るやり方と、早く効率的に作る“組織力”でのやり方、薄くて軽いお茶碗を作る“技術力”のやり方、これらがあるなかで組織力の強みは中国が技術力ではシリコンバレーが台頭してきています。
こうなったときに、物は変わらないけれども“意味”を与える事によって価値を生み出すということを、かつて千利休が行い日本でも起こっているわけです。

あるものの意味を変えることで価値を与える力こそクリエイティブだと思っており、それが日本のこれからの勝ち筋であると思っています。

なのでこの大きな可能性を秘めるクリエイティブの価値を今後社会に更に広げて行きたいと考えています。 (加藤氏):ありがとうございます。このあたりは先日のセッションでは伺えなかったあたりですので、今回掘り下げてうかがえたことを凄く嬉しく思っております。

三浦さんの書籍も拝見しておりますがまさに言語化力や抽象化のスキルが盛り込まれたインタビューになっているなと感じておりました。

(三浦氏):ありがとうございます。

(加藤氏):私自身も書籍を拝見してからはある種バイブル的に読み返したりもしているのですが、「人脈なんてクソだ」はタイトルからは意表を突く内容で読み進めるうちに納得感が深まった内容だと思いました。また「言語化力」も若手ビジネスパーソンの悩みどころも抑えられており、社内プロジェクトが上手く行かなかったときなども読み返してもっとこうするべきだったなと考えなおしたりもしています。

(三浦氏):そんな風に言って頂けて嬉しいです。実は3冊目の「超クリエイティブ 発想と実装で現実を動かす」が予約開始しているのですが、「言語化力」に関しては言葉の力が軽視されていると感じていて、自分自身の思考を整理するための言語化力とその思考を他者に伝える為の言語化力の2つがあると思っています。どうしても他者に伝えるアウトプットの方が注目されがちですが、自分の思考を整理するための言語化力も同等に必要だと考えています。この2つを使いこなすことで人生が変わっていくということをお伝えしたいと思って執筆をしました。

「人脈なんてクソだ」はコロナの前に書いた本なのですが、コロナが起きる前から社会が大きく変化しており、変化によって仕事や生活のルールも変わっていくなかで、どのように対応していくのが正しいのだろうかということを定義している本になります。

3冊目の「超クリエイティブ 発想と実装で現実を動かす」はこれからの社会において重要になる「クリエイティブの力」をどう身につけ活用するかをわかりやすくまとめた本で、この記事の読者の方にはもっともおすすめしたい内容になっています。

(加藤氏):ありがとうございます。こちら2冊ともビジネスパーソンにとっての行動指針やこの世の中の変化に対応していく為のヒントが盛り込まれていますので、是非多くの方にもご一読頂きたいと思っております。

今回セッションではお聞きしきれなかった三浦さんの活動や社会の変化に関しても掘り下げて伺うことができ、非常に有意義なインタビューになったと感じております。
Microsoft Empower Partner Daysのセッションの方もオンデマンドで視聴が可能ですので合わせてご覧頂ければと思いますし、是非本記事でご関心を持たれた方は三浦さんと共に日本社会の変革に向けて更なるビジネスの推進を目指して頂きたいと思っております。

先日のセッション、ならびに本日のインタビューと数多くのご提言を頂きましてありがとうございました。
(三浦氏):こちらこそありがとうございました。是非引き続きよろしくお願いいたします。

【三浦崇宏氏】 The Breakthrough Company GO 代表取締役

PR/CreativeDirector。2007年 博報堂入社、マーケティング・PR・クリエイティブの3領域を経験、TBWA \HAKUHODOを経て2017年独立。「表現をつくるのではなく、現象を起こすのが仕事」が信条。Cannes Lions、PRアワードグランプリ、ACC TOKYO CREATIVITY AWORDS グランプリ/総務大臣賞など受賞多数。著書『言語化力(言葉にできれば人生は変わる)』(SBクリエイティブ)がAmazonのビジネス書ランキングで1位に。近著に『人脈なんてクソだ(変化の時代の生存戦略)』(ダイヤモンド社)。東京大学、早稲田大学、筑波大学などで講師実績あり。 

【Microsoft Empower Partner Days】

~激動の変革の時代に求められるソフトスキル・マインドセット~
https://youtu.be/Nc7zGhbB0Wc