自治体のデジタル トランスフォーメーションを加速し、直面している課題解決に貢献したい。このような想いから、2018 年 6 月にスタートしたのが「Cloud PARK」です。既に誕生から 1 年が経過し、参加パートナーも増えています。それでは各参加パートナーは、どのような想いから参加を決断し、その後どのような成果を得ているのでしょうか。そして将来への期待は。Cloud PARK を主催する京都電子計算株式会社 (以下、KIP) と、参加パートナー 5 社の担当者にお集まりいただき、お話をお聞きしました。

参加企業:京都電子計算株式会社 (KIP)、株式会社 YSK e-com、ウイングアーク1st株式会社、株式会社エーアイスクエア、株式会社 Cogent Labs、株式会社 ゴビ

参加企業の皆様

多くの質問が殺到した「自治体総合フェア 2019」での共同展示

──それでは次に、実際にCloud PARK に参加してみて、どのようなメリットや効果があったのか、そしてそれをどのように評価しているかについてお教えください。

田崎 まだ具体的な実績はないのですが、他社サービスと連携したデジタル トランスフォーメーションや、自治体様向け市場の参入が可能になると期待しています。ベースが Microsoft Azure なので、これまで弊社で開発してきたアプリケーションも、展開しやすいと考えています。これを、自治体様をはじめとする幅広い業界のユーザー様に訴求できれば、ビジネス面で大きな効果を得られるはずです。

岩瀬 当社では Cloud PARK を介し、舞鶴市様との実証実験を 2019 年 4 月から開始しています。これは、先ほど申し上げた AI OCR「Tegaki」と、補正/分割/確認/結合などの前後処理を司る連携ツール群「Seisho」を、LGWAN で提供するというものです。これによって業務の効率化が図れると期待されています。また 5 月に開催された「自治体総合フェア 2019」で共同展示したことで、問い合わせも数多く寄せられています。これまで既に 4 団体の自治体様と 1 社の民間企業様からの受注をいただいています。

──「自治体総合フェア2019」ではKIP を含め、合計6 社で共同展示されたそうですね。

岩瀬 そうです。この展示では、来場者からの質問が殺到しました。このような取り組み含め、Cloud PARK は当社の事業を戦略的に大きく左右する、重要な存在になっています。

京都電子計算株式会社 (KIP)
企画部
北田 真衣 氏

北田 私はその時の事務局を担当したのですが、確かに AI OCR にはお客さまが殺到していました。働き方改革には賛否両論がありますが、このようなテクノロジーを活用することで、行政の高度化が可能になると感じた自治体様が多かったのだと思います。当社では AI-OCR サービスの「Seisho」を開発しソリューションとして提供しており、お客様にデモする機会が増えています。また今回の展示では従来とは異なり、パートナー間の横のつながりを重視したことも良かったのではないかと感じています。これによって具体的な利用シーンが、イメージしやすくなったからです。実際に展示会場では、お客様から利用シーンに関するアイデアが、数多く寄せられました。

──各社の製品単体ではなく、それらをCloud PARK という場でまとめ上げて見せることで、新たな価値が生まれたわけですね。

北田 そうです。複数の製品をマッシュアップすることでシナジーが生まれるということを、お客様自身がイメージできたのだと思います。

金澤 当社も一緒に「自治体総合フェア 2019」に参加しましたが、同じように多くの方に興味を持っていただきました。またお客様とのお話を通じて、新たなニーズも発見できました。実際のエンジン提供はこれからなので、まだビジネス的な成果はありませんが、大きな手応えを感じています。

新しいパートナーとのコミュニティが生まれたことを高く評価

石井 私は新しい SIer やソリューション ベンダーと会話できる場が得られたことを、高く評価しています。販売パートナー様経由でパッケージ販売を行っていると、なかなかエンド ユーザーにコンタクトを取る機会が得られません。しかし お付き合いがなかった SIer やソリューション ベンダーと話ができることで、市場にどのようなニーズがあるのかを、改めて発見できるようになります。

田崎 同感です。私も他社とのつながりができたことが、Cloud PARK 参加の大きなメリットだと感じています。これが今後の発展につながると考えています。

岩瀬 このようなコミュニティを育てていくことは、非常に重要です。新しい技術を社会適用していく時には、すべての実証実験がうまくいくわけではなく、試行錯誤の繰り返しとなります。しかし日本社会の課題解決には期限があるため、試行錯誤をなるべく少なくし、迅速に答えを見つけていかなければなりません。Cloud PARK の成功事例をベスト プラクティスとしてシェアすることは、そのための有効なアプローチです。Cloud PARK が触媒となることで、最短経路で日本全体を良くできるのではないでしょうか。

安達 みんなでシェアすることで日本を盛り上げていけるいうのは、私も重要な視点だと思います。これからの日本では人口も技術者の数も減っていきます。それぞれのSIerが個別に取り組むのではなく、一緒に取り組むことで、限られた人的リソースも有効活用できるはずです。実際、日本を良くしていきたいという志を持つSIerは、全国にたくさん存在します。

松本 そもそも PARK =公園とういうコンセプトで、自由に参加できるというのもいいですね。これまで接点がなかった人や企業とつながるハブのような存在になると思います。

──Cloud PARK には、このようなコミュニティ活性化のための施策も行っているのですか。

京都電子計算株式会社 (KIP)
常務執行役員
事業企画担当 企画室長
村上 敦 氏

村上 もちろんです。今回のインタビュー参加もその 1 つであり、共同でのプレス リリースも打っています。またパートナー間のコミュニケーションツールも、Microsoft Teams などを活用することで順次拡充していく予定です。

北田 Cloud PARK の活動をより広く知っていただくため、外部への情報発信を引き続き行っていく予定です。フェア出展は今後も実施していきたいと考えています。

多様な知見を持つ企業を集めることで課題解決の近道を

──このインタビュー記事を読んでCloud PARK に興味を持った人は、どうすればより詳細な情報が得られますか。

京都電子計算株式会社 (KIP)
企画部 部長
竹内 有一 氏

竹内Cloud PARK の「アプリケーション サテライト」にアクセスしてください (※後述のパブリック サイトよりアクセスが可能です)。

ここに一般向けの情報発信ページをご用意しています。これをお読みいただき、参加を希望される企業様は、参加申請をお願いします。現時点では当社 (KIP) の営業担当者にお問い合わせいただくことになりますが、今年 10 月には参加申請のフォームをWEB サイト上にご用意する予定です。参加には資格審査がありますが、料金は不要です。参加後はアプリケーション サテライトで、利用可能な商品の概要などを見ることができます。また今後は、Cloud PARK 上でパッケージ システムを開発できる「ファクトリー サテライト」や、お客様に対するフル サポート ソリューションをトータルで提供する「BPO サテライト」も立ち上げ、人材やノウハウのシェアリングや、複数事業者の協業も推進していく計画です。

── 最後に、パートナーとしてこれからの Cloud PARK に期待していることなどがございましたら、お聞かせください。

石田 お客様や SIer は、 Cloud
PARK に問題解決の近道を期待しているはずです。この期待に応えていくためにも、ぜひ本当に価値のあるソリューションやテクノロジーをラインアップしていただきたいと思います。筋のいいソリューションを揃えれば、Azure 上にプラットフォームがあるため、あっという間に標準になっていくはずです。

石井 マッチングを促進する新しいエコ システムとなることを期待しています。また実務面では、お客様とのコミュニケーションやプロジェクト管理なども、Cloud PARK 上でできるようになると嬉しいですね。

岩瀬 もし可能であれば、Webinar などのビデオ コンテンツで、成功事例などを共有できるといいと思います。

安達 ぜひ全国のパートナーと交流できる場として、ノウハウ共有をサポートしてください。これこそが Cloud
PARK に参加する意義だと考えているからです。

村上 ありがとうございます。皆様のようにさまざまな知見を持った会社が集まることで、よりよい環境が生まれると信じています。これからもこの取り組みを推進することで、日本の課題解決のショートカットを見つけるお手伝いをしていきたいと思います。

── Cloud PARK がどのように成長していくのか、これからも目が離せませんね。本日はありがとうございました。

参加企業の皆様
※お断り:株式会社 YSK e-com、株式会社 ゴビの皆様は、遠隔地からの参加のため、写真には写っていません。

【インタビュー参加各社の概要】

京都電子計算株式会社 (KIP)

1964 年 10 月に株式会社京都新聞社の全額出資により設立。それ以来、全国向けに販売している住民情報システムの開発元、京都および滋賀における情報産業のパイオニアとして、独自性の高い各種ソリューションを提供しています。特に地方公共団体や教育機関などの公共性の高い分野で、深い業務ノウハウと多彩な技術を蓄積。常に新技術に挑戦しながら、豊かな情報社会の発展に貢献し続けています。

株式会社 YSK e-com

1986 年 12 月に「山梨県内における雇用の場の提供と情報化に少しでも貢献したい」という想いから設立。自治体向けや流通/サービス業向け、製造業向けのシステム開発をはじめ、ネットワーク構築/運用、データセンターの提供などを手掛けています。現在では県内におけるソフト開発業界のトップ メーカーに成長。”新しい豊かさの創造” を目指した事業を展開しています。

ウイングアーク1st株式会社

2004 年 3 月創業。帳票基盤ソリューション「SVF」や「Dr.Sum」をはじめとする BI プラットフォームなどの提供を通じ、企業にとって最も重要な資産の 1 つであるデータを最大限に活用するための支援をしています。企業理念は「The Data Empowerment Company」。データの価値を最大化しビジネスにイノベーションを起こすことで、新たな未来を作っていくことを目指しています。

株式会社エーアイスクエア

2015 年 12 月設立。人工知能 (AI) を活用した各種 IT サービスとコンサルティングを提供しています。代表的な製品/サービスは、AI と活用した自動応答システム「QuickQA」と、自動要約/分類システム「QuickSummary」。最先端の人工知能技術を自然言語処理に応用したこれらの製品は、既に大企業を中心に数多くの企業に導入されており、ホワイト カラーの労働生産性の飛躍的な向上を実現しています。

株式会社 Cogent Labs

2014 年 4 月設立。世界中から AIの 研究者やエキスパートが集まり、最先端の人工知能の研究、開発と関連ソリューション サービスの提供を行っています。主力事業は手書き文字をデータ化する AI OCR「Tegaki」の運営。認識率 99% という高精度な技術によってデータ入力業務の効率化とコスト削減を可能にし、労働生産性の向上に貢献しています。

株式会社 ゴビ

1989 年 5 月設立。京都市市内の京都リサーチ パークを拠点に、情報システムやウェブサイトの構築、ユビキタス システムの研究開発、電子タグや携帯電話などを活用したアプリケーションの開発、インターネット技術やデータベースを中核としたビジネス システムの開発などを手掛けています。

【Cloud PARK 情報発信ページ】

パブリック サイト:https://cloudpark.jp/