Office 365 にはさまざまなコミュニケーションツールが含まれています。それらは時には似たように見え、どのツールを使えばいいのか迷うこともあるかもしれません。 これらのツールは、組織の文化やコミュニケーションの用途によって使い分けるようにしておくことで、コミュニケーションの効率をあげることができます。Office 365 に一番最近追加されたツール Microsoft Teams は、いくつかの種類のコミュニケーション手段を統合し、Skype for Business も吸収して、組織におけるコミュニケーションの核を形成するものになってきました。Spice Works 社の昨年 11 月の調査によると、Microsoft Teams は、この 2 年間でシェアが 18 ポイント伸び 21 % のシェアとなり、Slack を抜く普及率を見せています。この記事では、各コミュニケーションツールの使い分けと、Microsoft Teams 活用の方法とコツを中心に見ていきます。

 

コミュニケーション手段を使い分ける

Yammer、メール、チャット、電話、会議の各コミュニケーション手段は、その共有範囲、緊急性、内容などによって使い分けると効率があがります。昔の記事「【2017年版】Skype, Skype for Business, Teams, Yammer の違いは?」でも一度まとめましたが、あらためて最新の状況をまとめてみましょう。

直接の会話は最も重要で有効な手段ですが、会議や電話ばかりしていると重要なことに会話時間を割けなくなります。急ぎでない社内連絡・情報共有はチャットにすることで、コミュニケーションが効率化され、かつ再利用可能な情報が組織内に蓄積されます。

用途 参加人数(共有範囲)/特徴 ポイント
社内SNS
  • 全社、組織間の情報共有
  • 部活動、同期等の社内コミュニティ
    (アウターループ)
  • 全組織規模の人数も可能。
  • 情報の拡散性が高い
  • より広範囲に片方向または双方向のやり取りを共有
  • ゆるいつながりを許す
  • 緊急性はないが、情報共有、議論、質問したい内容を投稿する
メール
  • 社外連絡
  • メーリングリストで一斉通知
  • 1:1から全組織規模まで。
  • 社外とも連絡できる
  • 埋もれてしまいがち
  • 社内利用は申請・承認の類のみとする
  • 主に社外連絡の際に使う
    ⇒ 社内連絡はチャット
チャット
  • 通常の連絡
  • 部署・プロジェクト内情報共有
    (インナーループ)
  • 数人から10数人
  • 情報蓄積可能 (ログが残る)
  • メールより早い
  • 電話より相手を邪魔しない
  • 効率が良いので社内の業務連絡の第一手段とする
電話
  • 緊急連絡
  • 1:1
  • すぐに話しができる
  • 相手の仕事を中断させたり相手が捕まらないこともある
  • 緊急時のみ利用する
    ⇒ 急ぎでない場合はチャット
会議
  • 議論・意思決定
  • チームビルディング
  • 数人から10数人
  • 全員の時間を使うので最も高コスト
  • 効果は高いが高コスト
    ⇒ 情報共有のみの場合はチャット。
    ビデオ会議と併用し、常時録画することで遠隔地や不在の方にも共有可。
    チームビルディング目的のときは対面のみを推奨

 

 

Teams マスターへのステップ

Microsoft Teams の活用にはいくつかの段階があります。最初は気軽に 1:1 チャットで身近な人に話しかけてみるところから始めてみましょう。次第に「チャネル」と呼ばれるグループを作ってグループメンバーとだけファイルなどを共有したり、グループディスカッションを行ったり、電話やビデオ会議機能の利用、その他の統合されたアプリケーションの利用をしたり、外部ユーザーを参加させたりして高度な使い方に移行していくことができます。モバイルアプリを使えば、PCがなくてもスマホからコミュニケーションを行うことが可能です。

 

参考情報

 

働き方改革と組織文化の変革

新しいコミュニケーションツールを組織に導入する際は、既存の組織の文化も変えていく必要があります。「働き方改革」とは、単純に最新のツールを導入することでは実現できず、組織のコミュニケーションのあり方や、もっと突き詰めると組織のビジネスモデル、優先度、価値観など、事業の本質的なところまでの見直しを行い、優先するものとやめること/捨てることを決めて、それに沿ったツール導入を行う必要があります。コミュニケーションツールは、「あるべきコミュニケーションのやり方のテンプレート」にあたるものですので、既存のコミュニケーション方法に合うようにツールをカスタマイズしてしまうと、思ったほどの効果が出ないことがあります。

もちろん組織の事業内容によりコミュニケーション文化、共有できること/出来ないことの範囲も異なりますので、それを踏まえたうえで、人事情報/顧客情報/開発中の製品情報など、社内でも広く共有できない最低限のリストを決めたら、それ以外は広く社内で共有するといった「ネガティブリスト」方式で進めていくことがおすすめです。自組織に近い先駆者の事例も踏まえながら、コミュニケーション文化を変革していきましょう。

 

参考情報

 

Teams 運用時のコツは?

Teams の導入が決まったら、社内に広く展開する前にいくつかの運用ポリシーを設定することをお勧めします。主なものは以下の通りです。

  • 誰が Teams を作成できるようにするか: 管理者への申請制にするか、エンドユーザーに自由に作らせるか。これは組織の文化やエンドユーザーの IT リテラシーにより異なります。エンドユーザーが Teams 運用ポリシーを理解して運用してくれそうであれば、エンドユーザーに開放するのも手です。
  • どのサイズのチームを作成するか: あまり細かいプロジェクト単位で Teams を運用してしまうと、小さいサイズの情報共有単位がたくさんできてしまい、社内の情報共有が阻害されるとともにどこに情報があるのかがわかりづらくなります。基本的には、情報共有を行う可能性がある最大の組織 (会社全体、事業部全体等) 単位のサイズの Teams をまず作成して、必要に応じてチャネルを増やす運用を行い、個別 Teams の作成は限定的な用途に抑えることをお勧めします。
  • 作成時の権限設定のポリシー:  Teams 作成時には、組織内の特定メンバーのみ向けの Teams なのか、基本的に誰でも参加可能な Teams なのか(プライベート vs パブリック) を選択します。どういう内容を共有する際にどちらを選択するのかを決めておく必要があります。ファイルを保存する際は、Office 365 だと OneDrive for Business、SharePoint、Teams などの選択肢があります。また、Teams にも SharePoint サイトが付属しています。Teams 付属の SharePoint にファイルをアップロードする運用にする際には、Teams に置いた情報がグループ外に共有されにくくなることに注意しましょう。グループ外に共有したときにアクセス権がなく共有できないケースが出てきます。Teams に置いたファイルをグループ外にも広く共有する場合は、Teams 付属の SharePoint のサイト管理から、閲覧アクセスグループへの「すべてのユーザー」の追加を行っておくとよいでしょう。(こうすることで、グループ外のユーザーがSharePoint からファイル検索や Delve の利用を行う際にも表示されるようになります)
  • 名前付けポリシー: エンドユーザーにより Teams が作成される場合は、作成される Teams の数が増えると分かりやすい名前付け、他のユーザーと競合しない名前付けなどを考える必要があります。Teams のベースとなっている Office 365 グループの名前付けポリシー設定を実施することが可能です。
  • コンテンツ保持ライフサイクル: 古い情報が延々と残ったり、管理者不在のファイルが将来的にストレージをひっ迫しないように、コンテンツ保持ポリシーを設定しておくことをお勧めします。

20数年前に一世を風靡し、最近 IBM からインド企業への売却で話題になった Lotus Notes も、当時はオンプレミスで組織内に乱立したサーバーの運用ルール徹底が難しかったことが課題でした。Microsoft Teams のストレージは、すべて Office 365 のクラウドの中にありますので管理者は全体像を把握することができますが、中にある情報の整理はエンドユーザーに依存するところが大きいため、あらかじめきちんとした運用ルールとポリシーの適用を行ったうえで本格運用することをお勧めします。

 

 

参考情報

 

関連記事